Vol.888

あれから一年が過ぎようとしている。熊本の日常もやっと少し戻ってこようとしている。とは言っても、まだまだ4万8千人近くの方が仮設住宅などでの生活を強いられているわけで、何ともやりきれない思いだ。当たり前の生活ができることがどんなにありがたいか、あの日々で我々は実感した。蛇口をひねると水が出る。キッチンのコンロで料理ができる。毎日洗濯ができる。スーパーに行けば欲しいものが買える。夜中だってコンビニが空いている。街に行けば誰かに会える。何よりも夜が明るい。寂しい思いも、怖い思いも、きつい思いもみんな同じように体験した。

それと同じように、たくさんの人たちの温かい気持ちも痛いほど感じることができた。地震と引き換えになんて考えたくないが、普段の生活で考えなかったことをいろんな意味で感じることができた、そんな一年ではなかったかと思う。まだまだ復興には時間がかかる。それが私たちが少しずつ時間をかけて築き上げてきたものなのだ。時間をかけてもう一度築いていこう!それが我々ができる、先人たちへのそして大いなる自然への感謝ではなかろうか。苦しい生活を強いられている、大なり小なりみんなが背負っている。でも、それも含めてしっかりとみんな一緒に歩いていこう。新たなこれまでの、いやこれまで以上の熊本を造るために。