Vol.687

引っ越しがこんなに大変なモノだとは思いもしなかった。とは言っても、スタジオを作って3度目の引っ越しとなる訳で、ベテランのはずなのだが、これがそうも行かない大変な状態になっていた。そもそもこれまでの引っ越しは、荷物を移動しただけで、なんとかいろんな荷物を無理矢理引っ越した先に押し込んでいたようなモノで、なんとかそれで収まっていた。

思えば本体の制作会社としての荷物だけではなく、新市街でやり始めた雑貨屋の荷物もそのままにしながら、あらたに江越にも店を構えた訳で、店の荷物も最後は二重にあった訳で、その在庫などは店を閉めるときに処分はしたものの、什器などはそのまま残っていた訳でそれだけでも2件分なのだ。そこへもってきて、本来の会社の様々な機材やらも、新しくしていくにつれて古い機材は増えていく訳で、それをこれまではなんとか引っ越し先に押し込めてきたのだから、その量たるや凄まじいものがあった。トラック9杯分の荷物が二十数年の積み重ねとして思い出とともに旧事務所におさめられていた訳だ。荷物も思い出もかなりの重量あった。移転先は1LDKなのですべてを持ってはいけない。古い機材は廃棄機材として、古い思い出は記憶の奥底にいい思い出として捨て去るしかないのだ。「断舎利」?打とか言う言葉が今はもてはやされているようだが、涙をのんで廃棄してしまうほかないのだ。

大英断の代償は相当な金額になり私の方にのしかかったが、あたらしい環境と言う心地良い風が、それをすべて吹き飛ばしてくれたように思える。いや思うようにしている。古い思い出の代わりに新しいこれからの夢や希望みたいなものをしっかり抱いて次に進むことにした。4月の風はやわらかかった・・・。